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2020.03.24

【相続】「配偶者居住権」を使った節税方法

「配偶者居住権」って何?

【配偶者居住権】とは、配偶者が故人の自宅を相続しなくても住み続けることができる権利です。
2020年の4月から民法改正で新たに作られた権利です。

今回はこの【配偶者居住権】がどのような権利か、節税に効果があるのかを解説していきます。

例えばこんな相続が発生した場合...

例えば上の画像のような相続が発生したと仮定します。
※分かりやすいよう簡単にしたものです。

被相続人の夫は『自宅:3,000万円、土地:5,000万円、現金:2,000万円』総額:1億円の財産をもっています。
相続人である妻と長男は仲が良くなく、一緒には住んでいませんでした。
夫はそんな状態なので、妻が自分の死後困らないように家を残してあげたいと考えていました。

しかし、相続人の長男は少しでも多く財産が欲しいので、「絶対に法定相続分の1/2の金額5,000万円が欲しい」と言ってきました。
そうなると、現金2,000万円を渡したとしても残り3,000万円が足りません。
このままでは夫婦の思い出が詰まった自宅を売却しなければなりません。

このような場合に、妻に自宅を残す方法が2020年4月から新しく認められる【配偶者居住権】です。
遺言書に【配偶者居住権】の記載を行うことで、妻に権利が生じます。

【配偶者居住権】は価値のある資産と見なされ相続財産に含みます。
その価格はどのように計算するのでしょうか?
実際は『平均寿命』『妻の年齢』『建築年数』等を考慮して複雑な計算をして出されます。
今回は分かりやすいように下図のようになったと仮定します。

土地・建物の権利は【配偶者居住権】・【負担付所有権】に分けられます。
今回の場合は妻が【配偶者居住権(敷地の利用権)】、長男が【負担付所有権】を持つようになります。
【負担付所有権】の負担は【配偶者居住権】つまり『妻』が住むことです。

上図の場合は【配偶者居住権】は建物+土地で3,000万円。
それに預貯金の現金を足して法定相続分5,000万円になります。
そして、【負担付所有権】の合計額も5,000万円になり、長男の相続分も満たすこともできます。
これにより、妻は自宅に住み続けることができ【負担付所有権】となった土地・建物は妻が亡くなるまでは売却することはできません。

さて、ここまでの話で【配偶者所有権】がどのようなものかは理解できたと思います。
ところで【配偶者居住権】がどのように節税効果があるのでしょうか。
それは『二次相続』の際に効果を発揮します。

妻が亡くなって【二次相続】になるとどうなるのか?

妻が亡くなって【二次相続】が発生した場合はどうなるんでしょうか。
ちなみにこの時の条件は『相続人は長男1人のみ、自宅の価値の総額は変わらなかった』とします。

長男は既に【負担付所有権】で5,000万円を相続しています。
妻の死亡で【配偶者居住権】が消滅して【負担付所有権】が通常の所有権になり、8,000万円の自宅を所有して売却も自由にできます。

長男は二次相続で3,000万円の資産を取得するので、3,000万円に相続税がかかると思われますが実はかからないのです。
【配偶者所有権】は妻の死亡により『消滅』したので、妻から長男への相続には該当しないということになるのです。

これにより、3,000万円を長男はそのまま受け取ることができ、節税することができました。


【配偶者居住権】での注意点

妻に家を残すことができ、法定相続分の金額の問題もクリアできる【配偶者居住権】ですが、注意しなければいけない点もあります。


■【配偶者居住権】は4月1日以降
【配偶者居住権】は遺言・遺産分割協議で設定し2020年4月1日以降から適用になります。
そのため、それ以前に遺言に【配偶者居住権】を書いても無効扱いになります。
なので【配偶者居住権】を設定するためには2020年4月1日以降に遺言書を書き直す必要があります。


■相続登記が遺言より優先
2019年の7月に施行された改正民法の相続規定で『相続登記が遺言より優先する』という改正が行われました。
『相続登記』とは相続発生時に、被相続人が所有する不動産の名義を相続人の名義に変更することです。
法定相続人は自らの法定相続分だけではありますが、自由に登記ができるのです。
今回の場合であれば、相続が発生してすぐに長男が自身の法定相続分の1/2を登記してしまえば、【配偶者居住権】が遺言書に書かれていても、妻は自宅に居住することができなくなります。

こうならないためには『仮登記』をしておくのがよいです。
生前に妻へ『死因贈与契約』(死亡した時点で事前に取り決めを行っていた財産を贈与する契約)をもって『仮登記』を行っておくとよいです。

【配偶者居住権】はしっかり理解して使うことができれば、相続で自宅が無くなってしまうリスクが減らせます。
しかし、いざ実際に相続が始まると相続人同士で争いが始まってしまう場合もあります。
出来るだけ、被相続人が生きているうちにしっかりと相続について話をしておきましょう。

writer.十川
株式会社ミニテック西日本

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